novel
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2020.06.17
【徒花】設定・種族について
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2020.07.28
【徒花】01
薄暗い牢獄のような部屋の中で、彼女はいつも一人でいた。 その部屋の中にあるのは質素なベッド、使い古された木製の机と椅子、古い魔術書が数冊収まった痛んだ本棚・・・
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2020.07.29
【徒花】02
「ひゃあっ……!」 突如繋いでいた腕が小さな悲鳴と共に離れる。イリスが反射的に足を止めて振り返ると、アネモネが地面に臥せって倒れていた。「大丈夫・・・
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2020.07.31
【徒花】03
アネモネの言葉を聞いて、イリスは怪訝な表情を浮かべる。「なんで私だけ?」 アネモネの部屋に好き好んで近づく者はいなかったが、食事を運んだり監視・・・
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2020.08.04
【徒花】04
「かつて起きた『審判の日』……この大陸に生きていたもう一つの種族「ヒト」を襲った、悲劇……ある日、突然に顕現したイシュオットメアリは、不吉な紫の炎で大陸全土を焼・・・
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2020.08.06
【徒花】05
アネモネは目を伏せ、寂しげにそう呟く。そんな彼女の様子を見て、イリスは違和感のようなものを心に感じた。 イリスの内心など知らず、アネモネは寂しげな様子のま・・・
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2020.08.07
【徒花】06
ところでアイリスの行った邪神の封印には、実は『完全ではない』という致命的な弱点があった。 邪神の力は非常に強く、封印はそれに抵抗するイシュオットメアリによ・・・
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2020.08.11
【徒花】07
か細くそう伝えるアネモネは、かつて世界を焼いた紫の炎と同じ色の瞳で、イリスへと柔らかく微笑んだ。 そのアネモネの視線を、イリスは複雑な心中で受け止める。彼・・・
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2020.08.12
【徒花】08
「君がさっき言った言葉……『女神様が助けてくれた』ってやつ。正直私にはそんな、誰かを助けられる力は無いと思っているよ」 苦笑したままイリスがそう言葉を漏・・・