novel
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2020.08.19
【徒花】09
「なんだか納得していないような顔、しているね」「そ、そんなことは……っ」 イリスがアネモネの顔を覗き込むようにして彼女へと顔を近づける。するとア・・・
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2020.08.21
【徒花】10
「はっ!」 自身の失態にアネモネが気づき、彼女の顔色が青ざめた直後、そう遠くない場所で誰かの叫ぶ声が聞こえる。間違いなくそれは自分たちを追跡する者たちの・・・
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2020.09.03
【徒花】11
「あなたが……ジェイドがそんなに慌てているなんて珍しい……よほどのことが起きているのでしょうね」 ジェイドと呼ばれた男は表情こそ落ち着いていたが、しかし・・・
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2020.09.09
【徒花】12
「困りますね、女神様……優等生のあなたが、こんな問題を起こすなんて」 眼前に立つ追手の男の一人が、片手剣を構えつつそう言ってイリスへと鋭い眼差しを向ける・・・
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2020.12.02
【徒花】13
「風よ、集え、凍てつけ」 追手たちが動くより先に、短い詠唱がイリスの口から発せられる。彼の言葉は即座に凍てつく氷を纏う吹雪となり、周囲に荒れ狂った。・・・
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2020.12.22
【徒花】14
「追手に追い付かれるから、こっちに逃げよう」「……」 迷ったのはほんの刹那で、イリスはアザレアの言葉に頷く。彼は「ついていくから案内を」と短くア・・・