神化論after更新と、ハロウィン小話。
2020.10.29
神化論after更新しました。
神化論after『浄化 2』
しばらく『after』は更新できないのですが、
代わりになろうページに昔に書いたローズとユーリの過去話を投稿はじめました。
31日中にアップされるように予約投稿しておきましたので、よろしければ。
▼神化論 ローズとユーリの過去話
BAROQUE
旧サイトで見れる小説、まだけっこうあるのですが、それでもいくつかはリンク切れ状態で見れなくなってます。
で、どうやって見れなくなった小説をサルベージしようか考えてましたが、いくつかバックアップを見つけました!
やったー!
そういうわけで旅行でブログ更新できない間は、旧サイトで見れなくなった小説の一部をブログ投稿しようと思います。
とはいえ、消えてるのは規約でエムペに投稿できなかった系の暗い話なので……めちゃ暗い話ばかりの投稿になるかもです。
ジューザス中心のヴァイゼス過去話(闇)とか……久々に読んだらレイリスが可哀想すぎて胃が痛くなりました。
この人いつも可哀想ですね。どうして彼はこんなに闇を背負っているのか……。
しかし、最近はもう完全に神化論サイトと化していますね。
設定集の作成と、afterを書き終えるまでは『徒花』更新は停止気味になるかもです;
今日は『神化論』のハロウィン小話を発掘したので載せておきます。
▼ジューザスとエルミラの話。
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自室で仕事をしていたジューザスの耳に、なにやら騒がしい声が届く。
「?」
不思議に思って彼が顔を上げると、ちょうど部屋に本を数冊抱え持ったララが入ってきた。
「おいジューザス、頼まれた本持って来たぞ」
「あ、ありがとうクロウ」
ジューザスは立ち上がり、ララから本を数冊受け取る。そして彼は不思議そうな顔で、ララに聞いた。
「ところでさっきから外が騒がしいようだけど、なにかあったのかい?」
「あぁ、あれな。なんでもまたエルミラがレイチェル巻き込んで遊んでんだよ」
ララのその答えに、ジューザスは苦笑いを浮かべた。
「また何か危ないことでもしてるのかな?」
「いや、今回は……」
その時突然部屋のドアが勢いよく開く。驚いたジューザスとララがそちらを見ると、妙な格好をしたエルミラとレイチェルがそこには立っていた。
「な、なんだ?」
目を丸くするジューザスに、変なカボチャのお面をかぶったエルミラが近づく。そしてちょっと怯えるジューザスに、彼は笑顔でこう言った。
「ジューザス様、お菓子ちょうだい!」
「へ?」
ジューザスがちょっと間抜けな声を出す。気にせずエルミラは最高の笑顔で両手を差し出した。
「え、エルミラ……いきなりなんだい?」
「だから、お菓子ください! くれないととっても恐ろしい悪戯しますよ!」
まったく事態を把握できないジューザスに、隣で呆れ顔のララが口を開いた。
「こいつらさっきからこうやってお菓子くれってうるせぇんだよ。なんでもこいつが生まれた地域じゃ、この時期に変な格好してお菓子をせびる風習があるらしくてな……」
「へ、へぇ……」
エルミラの背後で大量のお菓子を抱え持つレイチェルは少し困った顔をしている。彼は今回もエルミラの暴走に巻き込まれただけらしい。
「え、エル兄、もうお菓子はいっぱい貰ったじゃん! もういいよ〜」
エルミラの服の裾を引っ張りレイチェルはそう言うが、その程度ではエルミラは止まらない。
「ばか、やっぱり最後はジューザス様から貰わないと面白くないだろ!」
面白い風習が世界にはあるんだなぁと思いつつ、ジューザスは「何かいいお菓子あったかな?」と言いながら部屋の棚に向かった。
「おいジューザスぅ、別にこいつのアホな行動に付き合ってやんなくてもいーんじゃねぇか?」
ララがそう呆れた声を出すが、ジューザスは笑ったまま棚の扉を開けてお菓子を探す。そして直ぐに彼は「あ、あった」と嬉しそうな声を上げた。
「よかった、チョコレートがあったよ」
ジューザスは笑顔で見つけたチョコレートをエルミラに渡す。チョコレートを受け取り、エルミラは「ありがとー」と言った。
「これで恐ろしい悪戯をされずにすむよ」
そんなことを暢気に呟いて、ジューザスはララに苦笑される。そして今度はエレスティンが怖い顔をして、ジューザスの部屋に入ってきた。
「エルミラ、あなたまだそんな事やってたの!」
「うわ、怖いエレスティンが来た!」
エレスティンはちょっと怯えるエルミラにズンズン近づき、「あなたジューザス様にも迷惑かけたのね!」と怖い顔で言った。
「わーごめんエレ、これで最後だから!」
「仕事もしないでレイチェル巻き込んで『お菓子ちょうだい』って遊んで……あなたいい加減に」
二人のやり取りを見ていたジューザスは、慌てて「まぁエレ落ち着いて」とエルミラに助け舟を出す。ジューザスに止められ、エレスティンは「でもジューザス様」と言って困った顔をした。
「まぁまぁ、たまにはこういうのも面白いんじゃないかな? 息抜きに」
「たまにならいいですけど、エルミラはほぼ毎日こんなことばっかりしてるじゃないですか」
エレスティンの厳しい指摘に、「そーそー」などと言ってジューザスを応援していたエルミラは大人しく黙る。しかしジューザスはそれでも笑顔で、「ここの中が明るくなるならこういう遊びはかまわないよ」と言った。
「ジューザス、お前は寛大なんだかなんなんだか」
「私はエルミラの面白い突飛な行動がわりと好きなんだよ。見てて飽きないし」
ララにそう言葉を返し、ジューザスは「そうだ」と言ってあまった手元のチョコレートをエレスティンに差し出した。
「余りもので申し訳ないけど、よかったらこれエレにあげるよ」
「えっ!?」
ジューザスからチョコレートを差し出され、エレスティンは驚きに目を見開いて一瞬硬直する。直ぐに我に返った彼女は、今度は顔を真っ赤にして「ああありがとうございます!」と言いチョコレートを受け取った。
「ははは、よかったなエレスティン」
わかりやすいエレスティンをニヤニヤした顔で見ながら、ララが彼女に声をかける。しかし舞いあがってるエレスティンの耳に、彼のその言葉は届いていなかった。
【END】
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